- ●モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
- ・モーツァルトらしい、さわやかな演奏でした。曲に対する愛情のようなものが感じられて良かったです。
- ・冒頭などは緊張感があり、劇的な感じが出ていたが、音が余りにも固く、平板で粗野に聞こえ、余り楽しめなかった。
- ・小手調べでノリがもう一つ。絃の細かいパッセージが丸く(鈍く)きこえました。
- ・確かに石像が自ら歩くとしたらこういう足音かもしれないと感じました。
- ●R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」
- ・アグレッシヴな熱演で貴団らしさがよく出ていました。メロディーに充分表情をつけて演奏しているので音楽が生き生きとしているし、特にティンパニの快打が印象に残りました。弱音部での管の方々のソロは、いずれもきっちりと吹けているので、よりアピールされてもよかったように感じました。
- ・大変な熱演だったが、テンポがせかせかしており、又、力まかせに走る傾向があり、R.シュトラウスの豊麗で艶やかな音色が少し不足しているように感じた。もう少し遊びの精神が欲しいと思う。
- ・曲の最初にびっくりして、激しい演奏に震えて、穏やかな演奏にいやされました。聴いているうちに耳にしたことのないオペラの歌声をきいた気がしました。不思議です。
- ・冒頭から速度がはやくてちょっと空回り気味でしょうか? 演奏全体として最後まで流れにのれませんでした。指揮者の方が何をやりたいのか分かりませんが、オーケストラとかみあっていない(全員の信任を受けていない)ように感じます。
- ・早い所が何だか「念力主義」的で着実さに乏しい。ゆったりした所は概ね良い。転調でガラリと気分を変えて欲しかったのに、突進し過ぎでその効果が潰れ気味。この曲は勢いで誤魔化さなくても十分に非日常的な筈だと思うが。
- ・若いマエストロと分別のある大人のオケとの共演といったかんじで、ちょっと笑っちゃいましたが、本当に本当に素敵な演奏でした。まわりにはこの後どっかに行きそうな若いカップルはいませんでしたが・・・。
- ●ベートーヴェン/交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」
- ・ワーグナーのような重厚さを求めないで、ハイドンの延長線上のようなセンスのいい演奏だったと思いました。意外なほどよかったと思いました。
- ・死人も生き返りそうな(そんな話が最近ありましたが)元気のいい葬送行進曲でした。
- ・どういう「エロイカ」をやりたいのかという指揮者の意図が伝わって来ない。テンポは速かったが、それを支えるものが乏しいので音楽が上滑りして聞こえてしまう。sfは全く利いておらず、ppになると途端に音楽が弱弱しくなる。終楽章のコーダで突然勢いが出てきたのは取ってつけたようで不自然だった。
- ・第一楽章:三拍子の流れ・軽快さを強調した解釈で面白かった/第二楽章:管もよくなりいいアンサンブル。テンポが良い/第三楽章:安全運転か。もっとScherzoらしさを出してもいいのでは/第四楽章:各変奏の差を出して変化のある演奏。
- ・米津氏が速めのテンポ設定で通したため、味わいには乏しかったものの、とてもすっきりとした演奏になっていました。/第一楽章:力強い演奏でしたが、ややザツな感じもしました。メロディーにはかなり表情がついていたのに対し、伴奏や時折はさみ込まれる短いパッセージはやや平板でした/第ニ楽章:堂々とした演奏になっていました。ただ、この楽章ではやはり味わいもほしいと強く感じてしまいました/第三楽章:貴団らしくないことですが、ピッタリとキマっていない部分が多めだったのは残念。音楽としては聴き応えがあったのですが・・・/第四楽章:「もう少し余韻があればいい」と感じることが多めでした。コーダはとりわけ見事で、聴き応え充分でした。
- ●その他
- ・プログラム楽しく読ませていただきました。私も米津さんに指導していただいている身なので、一人客席で笑いをこらえながら読みました。
- ・今回の定期演奏会は新進の指揮者を迎え、ババカンの新しい音が引き出されていた様な気がします。米津さんは指揮を楽しんでいましたね。
みなさま、どうもありがとうございました。/ 高田馬場管絃楽団